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2012 ハタのカンサァー展審査結果と講評 ・一般の部 (審査員代表・河野たつひと)

 人は自然の万物に霊を見た。空や海や木、花、雨、雷、森羅万象に神が宿っていると考えた。 自然に頼って生きる人間にとって、自然の気まぐれな振舞いは生活の脅威で、豪雨や旱などは神の怒りだと考え、神々の期限を損なわないように人間に似せて像をつくり、そして身の安全と家族の幸せを祈った。

全      体      の      講      評
 畑の神様のイメージを自分なりに想像して多様な像ができています。 現代彫刻に近いものから原初的な像まで、具象的なものから象徴的なものまで。 それぞれの作品はハタのカンサァーの姿をした作者の化身だと言えよう。 寺院に置かれた仏像とは違い百姓のそばで仕事ぶりを見守る身近な神様。 表現様式としては江戸時代の円空や木喰の仏のような荒々しい深い精神性を目指すのも面白いと思う。


作 品 名 作 者 名 講   評
金賞 大地の母 田中 志昇  台座を含む木塊が永遠の大地を象徴し、北条の実りを約束するかのように微笑みを湛えている女神は、人々の平穏な生活を暗示しているような。
金賞 水の恵 清田 隆二  フランス古典主義の画家アングルの「泉」を想わせる。大地を潤す水の大切さを、器を持つ少女の両手と顔の表情でうまく表現してる。
銀賞 一服のひととき 山下 悦男  農作業が一段落ついて木陰に腰を下ろし、煙草に火をつける。きっと農夫にとっては収穫を想像しながらの至福の時だろう。やはり農夫にはタバコが似合う。
銀賞 ハタのカンサァー 岡元 源二郎  笑顔の中にかすかな不安。これは自然を相手に生を営む百姓の宿命だ。祈りは崇高で美しい。人々は祈ることでやすらぎを得て、そして勇気が与えられる。
銀賞 ちょっと一休み 金子 勝男  大地に鍬を突き立てることから始まる百姓のたたかい、そして柄を両手に添えて休戦。この繰り返されるリズム中に百姓の喜怒哀楽の日常が織り込まれている。
銅賞 畑の神様 積山 武光  農具を片づける農夫の妻が、目の前で夫が手拭いで汗を拭いているのだろうか。鮮やかなお茶の葉の緑が収穫の歓びを表しているようだ。
銅賞 空の恵 若松 雄二  力強く組まれた手、空を見上げる大きな顔、この連動するシンボリックな姿に、空と大地の太い絆を見た。干ばつのときこの像を畑の真ん中に置いたら恵みの雨が。
銅賞 畑の辺 高橋 廸子  この里いもの葉は日除け、それとも雨宿り、どちらにしても永遠も見据え悠長に構える百姓のおおらかさがにじみ出ている。百姓は常に平和を求める。